MY FAVORITE & RECOMMENDATION

映画、コミック、本から、お薦めものをピックアップ!

<< May 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
<< 「あなたはキムタクで・す・か・ら!」……『MR. BRAIN』 | main | ディオニソス的画家カラヴァッジオに迫る映画……『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』 >>
# 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は大スクリーンで!
 
 今年7月からロンドンのザ・O2アリーナで行われるはずだった、マイケル・ジャクソンの「This Is It」コンサート。1996年9月7日〜1997年10月15日の「HIStory Tour」から13年ぶりになるはずだった、この果たされなかったコンサートのリハーサル風景をまとめたものが、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』です。
 マイケルが個人的な記録として撮影していたというビデオ映像から、4月から6月まで百時間以上に及ぶリハーサルや舞台裏のようすが、コンサートの監督でクリエイティヴ・パートナーだったケニー・オルテガの手で編集されています。

  ドキュメンタリー映像ということで、映画としての抑揚に欠ける冗長なものになってるんじゃないかとか、スタッフやファンのマイケルを惜しむ声が挟まれた「やりすぎ」感あふれるものになってるんじゃないかとか不安を感じつつも、レディースデイ目指してオンラインで座席指定予約までしてしまう……この熱心さが仕事でも発揮できたらいいのに orz。
 さすがレディースデイ。新宿ピカデリーのメインスクリーンはほぼ女性で満席でした。

  さて、実際に観てみると、私の不安はまったく的外れなものでした。リハーサル風景だけに焦点を絞り、感傷的な画像は一切なし。おそらくコンサートのプログラムと同じ曲順で、マイケルの歌とダンス、バックダンサーたちのパフォーマンス、プレイヤーたちの演奏、バックスクリーンに映し出されるはずのCG映像などが、みごとに編集されていました。1時間51分があっという間です。
 「マイケルの死」の匂いを完全に廃し、なにも足すことなく、まるでライブPVのようにこの映画を仕上げたことことこそが、オルテガ監督の「This Is It」コンサートへの、そしてなによりマイケルへの愛情と尊敬と哀惜の表れのようで、むしろその想いに胸打たれました。

 鑑賞するうちに、私がマイケルの歌から遠ざかったのは「Heal the World」(1993年)あたりからだったかなあと思い出しました。
  世代的なことなのか、地域的なことなのか知りませんが、小・中学校のころ、とにかく「戦争は悪いことだ」「公害は起こしてはならないことだ」と叩き込まれたんですね。戦争だって、公害だってよくない。それはもうね、よくわかっています。ただ、あまりにもしつこく言われると、だんだん「それを起こしたのは、 誰だ。私らかい? 『過ちは二度と起こしませんから』はそのとおりで結構だけど、それを戦争を知らない世代に、この国が嫌いになるほどに、この国には正義も未来もないと感じてしまうほどに繰り言するあなた方は、結局なんなんだ」と、まあ、反発心のほうが強くなってしまったわけです。年齢的にも反抗期ですしね(笑)。
 そんな素地があったがために、「Heal the World」を聞いたとたん、説教がましく思えて拒否反応を起こした、と。また、幼い子どもを登場させるという演出にあざとさを感じなかったと言えば、ウソになります。
  それまでは同じ目線に立っていてくれたマイケルが、急に高みに行ってしまったというかね。「起こしたいがために戦争を起こし、利益を追求するためには公害を垂れ流してもなんとも思わない。自然を破壊し、自分以外の人間を苦しめることしかしない、浅ましいばかりの国。この国を愛してはいけない」と教育されてきた私に、あなたまでダメ押しをするのか、とね。

 今から思えば、長らく中二病的にふてくされていたなあと思います(笑)。しかし日本を 離れるという経験をしなければ、今でも精神的に亡国の民だったかもしれません。人によるでしょうけれど、それほど子ども時代の教育というのは根深いものがあるのです。まあ、現在の教育現場のありさまを子どもをもつ友人たちから愚痴られたり、ニュースで聞いたりするたびに、「私の悩みはなんだったんだ」と虚しい心持ちになりますがね。っと、話がそれました。

 映画のなかで「Heal the World」と同じ流れのなかにある「EARTH SONG」(1995年)を聴いても、もう拒否感は覚えませんでした。やはりこのテの楽曲の演出にあざとさは感じてしまうのですが、それ以上に、きれいな旋律と最高に美しいマイケルの歌声が堪能できるこの曲との出会いが遅すぎたことを悔やむばかりです。

 映像のなかのマイケルは、50歳とは思えないほど、キレのいいダンスと低音高音自由自在の歌唱力を見せつけてくれました。
  「観客を今まで見たことのない世界へ連れて行く」。その到達点を目指して、「かっこいいポーズ」「美しいシルエット」と彼が計算するままに動き、止まる、 鍛錬され、完全に制御されたマイケル自身の肢体。自分が欲しい音、欲しい光景が明確なうえ、それを他人にきっちりと伝えられる表現力。「ああ、これが『舞台の神』というものか。見る者すべての視線を集中させ、自分の世界に巻き込んで陶酔させてしまう。なるほど、多くの人が彼と仕事をしたいと願う所以か」と納得しました。「KING OF POP」の名はダテじゃありません。
 ところどころ、なんとなく苦しそうだったり、思いどおりにいかないことに イラついてるようすも見られるのですが。マイケルのちょっとした気分の下降やわずかに見せるしんどそうな表情にすかさず反応するオルテガ監督のさり気ないフォローがまたいい感じなんですよ! 「マイケル、愛されてるなあ」と、なんだかほのぼのしてしまいました。

 オルテガ監督ばかりでなく、すべてのプレイヤーが、ダンサーが、照明やエフェクト、衣装や振り付け、CG合成などなどなどのスタッフが、マイケルのために最高のものを創り上げよ うとしていたステージ。現実になったらどんなにすごかっただろうかと、舞台の映像にもはやかなうことのない期待ばかりがつのります。
 「取り返しのつかない喪失」というのが、この世には確かにあるのだと再認識させてくれる映画。世界同時に2週間だけの公開とのことでしたが、延長決定の映画館もあるようです。
 大きなスクリーンで観る価値のある映像です。マイケルファンの方はもちろん、それほどでもないという方も、ひとりの人間がここまでのステージをつくることができるという、ひとつの伝説を目撃するために、足を運んでみてはいかがでしょう。

 THIS IS IT! ──今が、そのとき!


JUGEMテーマ:映画
| comments(2) | trackbacks(0) | 23:55 | category: Movie |
# スポンサーサイト
| - | - | 23:55 | category: - |
コメント
レス>ZOEARTHさま
コメントをありがとうございます。
本当に感動的なドキュメンタリー映画でした。
やっぱりMJはすごいですよね!
| 雑文堂@管理人 | 2010/05/26 3:40 PM |

わたしもその映画もみえました、とでも感動ですね1
| ZOEARTH | 2010/05/24 6:34 PM |

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://zatsubundou.jugem.jp/trackback/89
トラックバック
紹介作品の詳細は……
blog内の「画像」あるいは「作品タイトル」をクリックすると、Amazon.co.jpの作品紹介ページに飛びます。
Search this site
Categories
Profile
Recommend
煌 中嶋敦子画集
煌 中嶋敦子画集 (JUGEMレビュー »)
中嶋 敦子
目の覚めるような煌めきの世界が、この一冊に! 『艶』と同じくイラスト一点一点に中嶋氏のコメントつき。『トリニティ・ブラッド』『プリンセス・プリンセス』『逮捕しちゃうぞ』の3作品については、アニメ制作に携わられていたときのエピソードを含めたインタビュー記事も収録。ベテランアニメーターの、作品やキャラクターへのあふれる愛を感じてください。
Recommend
カズキヨネ画集 -斬華-
カズキヨネ画集 -斬華- (JUGEMレビュー »)
カズキ ヨネ
アイディアファクトリー制作の乙女ゲーム『緋色の欠片』『翡翠の雫 緋色の欠片2』などのキャラクターデザイナーであり、イラストレーターでもある、カズキヨネの初画集。華麗で、「萌え」のつまったイラストの一点一点をご堪能ください! 「狐祭り」、最高!! カズキ氏のイラストに対するコメントや、画業についてのインタビューも、ぜひ読んでくださいね。
Recommend
由良 ARTWORKS -LIGHT SIDE-
由良 ARTWORKS -LIGHT SIDE- (JUGEMレビュー »)
由良
『由良ARTWORKS -DARK SIDE-』の下巻。『DARK SIDE』はボーイズラブゲームでまとめましたが、『LIGHT SIDE』は乙女ゲーム『乙女的恋革命★ラブレボ!!』のイラストから男性向け美少女ゲーム、最近のボーイズラブ作品を少々、そして“幻の企画”まで、由良氏がさまざまなジャンルで描かれてきたイラストを網羅。もちろん、コメント付きです! さらに携わられたゲームについて、作品ごとにインタビュー。10時間インタビューの成果や、如何に!? それは本書でご確認ください。
描き下ろしイラストのステキな箱には、『DARK SIDE』『LIGHT SIDE』両方が収納できますv
Recommend
由良 ARTWORKS -DARK SIDE-
由良 ARTWORKS -DARK SIDE- (JUGEMレビュー »)
由良
『冤罪』『帝国千戦記』『絶対服従命令』などのボーイズラブゲーム、およびダイエット乙女ゲーム『乙女的恋革命★ラブレボ!!』のキャラクターデザイナー・原画家で知られる由良氏の初画集です。12月に発行予定の「LIGHT SIDE」と2分冊の上巻。
「DARK SIDE」は『冤罪』『帝国千戦記』『絶対服従命令』の厳選イラストを収録。各作品の最新描き下ろしイラストに、3作品の主人公をシャッフルした「この本だけの」描き下ろし口絵あり。
そのうえ、各イラストに由良氏のコメントありで、内容充実の1冊です!
Recommend
永久保存版 完全ボーイズラブゲームガイド
永久保存版 完全ボーイズラブゲームガイド (JUGEMレビュー »)

1999年の開発開始から、ボーイズラブ(BL)ゲームのすべてを網羅したガイドブック。特に一世を風靡した人気作品はカラーページでクローズアップ! 表紙はBLゲーム原画家である由良&たたなかなの合作描き下ろし。また由良&たたなかな対談や淵井鏑、ゆりの菜櫻のインタビューも収録。
「BLゲームってどんなジャンル?」「BLゲームってどんなタイトルがあるの?」という初心者向けのカタログムック本です。BLに興味のある女性はもちろん、男性の方で「知りたい」という方にもオススメ! ただし肌色多めなので、要注意。
Recommend
TALES いのまたむつみ画集
TALES いのまたむつみ画集 (JUGEMレビュー »)
いのまたむつみ
RPGとして不動の人気を保つ『テイルズ・オブ・デスティニー』『テイルズ・オブ・エターニア』『テイルズ・オブ・デスティニー2』のキャラクターデザインを務めたいのまたむつみの『テイルズ』イラストを網羅。見逃したイラストもきっとココにあるはず! キャラクター造型やイラストの描き方について、コメントやインタビューもバッチリ収録。紙や印刷にもこだわってます。時間をかけただけのクオリティを堪能してください。
Recommend
WOLF'S RAIN SEEKING
WOLF'S RAIN SEEKING "RAKUEN" 川元利浩画集 (JUGEMレビュー »)
川元 利浩
アニメ『WOLF'S RAIN』のキャラクターデザインを務めた川元利浩の初画集。カジュアル、レトロ、ヴェネチアンマスカレード、ネイティヴアメリカンと、さまざまなモードジャンルから組み立てられたキャラクターたち。もちろん、オオカミの造形も要チェック! 川元ファン必携の1冊!
Recommend
艶−中嶋敦子STYLE−
艶−中嶋敦子STYLE− (JUGEMレビュー »)
中嶋 敦子
「艶のあるキャラクター」といえば、今、注目の中嶋敦子! 『逮捕しちゃうぞ』『GetBackers -奪還屋-』ほか、『PEACE MAKER鐵』『王ドロボウJING』など、思わず目も心も奪われる美麗イラストが満載! インタビューや各イラストへのコメントから、そのスタイルを探る!
Recommend
指先にくちづけて―パラケルスス・パラミールム
指先にくちづけて―パラケルスス・パラミールム (JUGEMレビュー »)
伊藤 智砂
16世紀に実在した、稀代の錬金術師にして医学の革命児、パラケルスス(テオフラストゥス・ホーエンハイム)をモデルにした「BL(ボーイズラブ)小説」です。
パラケルススと、彼が作り出した小さなホムンクルス「ヘルメス」は流浪の旅を続ける相棒同士。スイスのバーゼルに立ち寄った彼らは、町の有力者にして出版王フロベニウスに出会います、そのときから、なんだか二人の関係がおかしくなってきて……。
異端視され、火炙りの危険にさらされながらも、ヘルメスを手放せないパラケルスス。そんなパラケルススを守りたいと思うヘルメスは、パラケルススの危機に絶体絶命の手段を取ります。
史実をご存知の方には、パラケルススの「ヘルメス信仰」ってそういうこと? と思っちゃえるかもしれません(笑)。
※ BL的な表現や描写がありますので、苦手な方はご遠慮ください。
Recommend
TVアニメーション鋼の錬金術師コンプリートストーリーサイド
TVアニメーション鋼の錬金術師コンプリートストーリーサイド (JUGEMレビュー »)
スクウェアエニックス
『鋼の錬金術師』アニメ全話を徹底解説! まさにコンプリートな1冊です。特にアニメの『鋼』世界の設定を考察した「『鋼の錬金術師』徹底研究レポート」は、ファン必読です。
Recommend
TVアニメーション 鋼の錬金術師 キャラコレ
TVアニメーション 鋼の錬金術師 キャラコレ (JUGEMレビュー »)
スクウェア・エニックス
アニメ版『鋼の錬金術師』に登場する80余名のキャラクターを一挙にご紹介。各キャラの名セリフや特別な人間関係などを、アニメのシーンもいっしょにピックアップしています。
「このキャラってどういう人物だっけ?」と思ったときに、手軽にチェックできる1冊です。
Recommend
魔探偵ロキRAGNAROK PERFECT GUIDEBOO
魔探偵ロキRAGNAROK PERFECT GUIDEBOO (JUGEMレビュー »)
木下 さくら
『魔探偵ロキ』『魔探偵ロキ RAGNAROK』の世界をキャラクターの魅力分析やストーリーダイジェストで完全ガイド。作品に対するこだわり部分やカラー画集にリンクしたイラストコメントなど、「作者の声」がたっぷりつまった1冊! 描き下しイラストに、学生になっちゃった『ロキ』メンバーのコミック、アニメ版スタッフや声優のコメントもありの「ぎっしり」ガイドブックです。
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
Sponsored Links

 レンタル掲示板,レンタル日記,レンタルブログ「大宇宙」