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# 世界に「こころ」を届ける12歳の郵便配達員……『テガミバチ』

  偶然、先月末に浅田弘幸のマンガ『テガミバチ』(集英社/ジャンプ・コミックス)を読んでいたので、このたび私が出した小包が遭遇した「ゆうパック」の遅配との妙な符合に苦笑してしまいました。

 2007年11月に創刊した「ジャンプスクエア 2007年12月号」で見たときから気になっていたマンガ。コミックのカバーイラストが独特のブルー系でまとめられていて、雰囲気があってとても美しいのですv


 一日中沈むことのない「人工太陽」に照らされたアンバーグラウンド国。人工太陽の直下にある首都「アカツキ」は、女帝を中心に、政府に選ばれたごく少数の特権階級が住まう地だった。アカツキと大河を隔てた外周にある「ユウサリ」は、人工太陽の光がぎりぎり届く黄昏の地で、中産階級が住んでいる。さらに大河を隔てた外周にある「ヨダカ」は、内側から外側に向かうにつれ闇が深くなる夜の地で、下等階級の人々が貧しく暮らしていた。
 これら三つのエリアはそれぞれの大河に一本だけかかる橋で結ばれていたが、それを渡るには政府発行の「通行許可証」が必要だった。通行証は政府に貢献することでしか入手できず、特にユウサリからアカツキへの「首都通行証」はひと握りの選ばれた者にしか許されなかった。

 黄昏の地ユウサリも、夜闇の地ヨダカも、町や村、集落はそれぞれが山脈や砂漠、荒野に隔てられて点在する。人が住まないところの多くには、鎧虫(ガイチュウ)という、人の「こころ」をエサにする、剣も銃弾も利かない生物が巣食っている。離れたところに住む人々の往来は困難で、ましてやエリアを越えて行き来することは不可能に近かった。そこで利用されたのが、郵便である。
 ユウサリの中央市(ユウサリ・セントラル)にある郵便館「BEE-HIVE(ハチノス)」に所属するのは、アンバーグラウンド国家公務郵便配達員「BEE」。通称、テガミバチ。マニュアルに曰く、「首都をのぞいたこの国の町から町へ旅をし、どんな危険すらいとわず、国民の大切な『テガミ』をお届けする。それこそが、テガミバチの仕事なのです」。


 ヨダカの町レングスのはずれ、コーザ・ベルに母とふたりで暮らしていた7歳のラグ・シーイングは、ある日、「悪いやつら」に襲撃され、家を燃やされ、母をアカツキに連れ去られる。ひとり荒野に残されたラグには、何者かにより切手貼付済みの配達用紙が貼られていた。彼は、テガミバチのゴーシュ・スエードに集荷され、「テガミ」としてヨダカ南端の港町キャンベル・リートゥスに運ばれることに……。

 18歳のゴーシュはテガミバチのエースで、実績と技能を評価され、この配達が終われば、アカツキへの栄転が待っていた。ラグは、母を奪われ、家を失い、知り合いの元とはいえ見知らぬ町に連れて行かれる恐怖と怒りと不安でいっぱいいっぱいになっていたが、ゴーシュは「『テガミ』の内容をテガミバチが盗み見するわけにはいきません」と言い、「(キミ自身のことなど)知ったことではないのです」と突き放す。
 ゴーシュの徹底したビジネスライクでドライな言動に反発しながらも、鎧虫に襲われたときの冷静な対処や、テガミバチへの疑問に真面目に答えてくれる誠実な態度に、少しずつ信頼を寄せていくラグ。テガミバチの使う、自らの「こころ」の欠片を武器とする心弾銃の作用により、ゴーシュの妹や幼なじみの姿を垣間見てからは、親しみも感じるようになる。ゴーシュもまた、ラグが引き起こした心弾銃の暴発によって彼と母親の身に起こったことを知り、「こころ」を揺らされる。

 十日間の旅は順調に進み、明日はキャンベル・リートゥスに到着するという日。母を取り戻すためにアカツキへ連れて行ってほしいとせがむラグを、ゴーシュは拒絶する。ラグを目的地に届けるのが仕事のすべて。ラグの事情は自分には関係がなく、友人となって力を貸すことなどできないと言い放つ彼に失望したラグは、心弾銃を盗み、ひとり白い砂漠を行く。足下の砂が崩れたとき、ラグはアリジゴクのような鎧虫の巣の中にいた。
 ラグ目がけて鎧虫がくり出した角は、駆けつけて彼を庇ったゴーシュを傷つける。重傷を負いながらも、諦めることなくアリジゴクのすり鉢から活路を見出そうとするゴーシュ。
 「命をかけてきみを必ずキャンベルに届けます…!! それがテガミバチの仕事ですから…!!」。
 ずっと反発を覚えてきた「仕事」という言葉の重みをようやく理解するラグ。泣きながら放った心弾は、鎧虫を粉々に吹き飛ばした。

 意識を無くしたゴーシュを肩にかつぎ、引きずって、数十キール(距離の単位)。ラグはやっとの思いでキャンベル・リートゥスに到着する……。
 いよいよ別れというとき、ゴーシュはラグがいちばん欲しかったものをくれた。「友達」という言葉を。「もう…配達は終わったんだよ、ラグ…」「キミはもう『テガミ』ではなく一人前の男だよ…ラグ・シーイング」。

 5年後。国家公務員の一次審査にパスし、国家公務郵便館員の面接審査を受けるため、ヨダカからユウサリに向かうラグの姿があった。
 目標は、すべての人の「会いたくても会えない人」への「こころ」、すなわち「テガミ」を、どんなに困難な条件のもと、状況のもとでも届けることを目指した、ゴーシュのようなテガミバチになること。そして、いつかアカツキに渡り、ゴーシュと母に再会する。それだけを胸にユウサリ・セントラルに到着したラグを待っていたのは、過酷な事実だった。4年半前、アカツキで勤務していたゴーシュは「こころ」を失い、「BEE」を解雇され、行方不明になっていたのだ。
 テガミバチとして世界中を旅し、ゴーシュを見つける。「こころ」を失っているなら、取り戻してみせる。──新たな決意を固め、新米テガミバチの配達行が始まった。


 以上のあらすじは1・2巻のもの。10巻を重ねた今、物語はかなり核心に近づいてきました。
 ラグについては、女帝に似ている母親のこと、「瞬きの日」生まれであること、左目が精霊琥珀の義眼であること、自身の持ち得ない記憶の風景をもっていることなど、「人工太陽」との接点をさまざま感じるのですが、「太陽神」の名をもつ子なのでそんなに心配していません。
 さて、人工太陽に代わるエネルギー源として、太古に存在した「大地のエネルギーを宿した精霊虫」を人工でつくろうと、政府が行なったと噂される「人工精霊計画」。計画では、ヨダカやユウサリからアカツキに呼び寄せられた人間がさまざまな生物と融合され、ことごとく失敗作として廃棄されたと囁かれています。かろうじて生き残った実験体たちは「精霊になれなかった者」と称し、反政府組織「リバース」を結成。格差社会の象徴である「人工太陽」の消滅と「闇」のなかでの世界の再生を画策します。
 ゴーシュの相棒(ディンゴ)のロダは、もとはイヌに似た生き物でした。彼女は「人工精霊計画」によって少女の姿となり、過去の記憶を失ったまま、「リバース」のロレンスの命令でノワールのディンゴになります。
 「精霊になれなかった者」を名乗り、「リバース」の重要人物らしいロレンスが、瀕死の状態で「こころ」も記憶も失ったゴーシュにかけた言葉が「『光』から生還した、たった一人の人間」。ロダも「彼は世界を救うために必要な人」なんて言ってます。
 ついでに、ラグの左目に定着している精霊琥珀のように、本来の「こころ」を失っても心弾銃が使えるゴーシュのように、アルビス種は精霊と相性がいいらしい。……などなどキーワードを拾っていくと、「黒(ノワール)」の別名をもつゴーシュの先行きはまさに真っ暗としか思えない。ラグ、なんとかしてください……。
 「毒なしの物語で」という作者の言葉を信じたいところです(表向きはさまざまな人に「こころ」を届けるほのぼのした物語で進行してるけど、裏はけっこう毒が含まれているので、かなり不安)。


 この『テガミバチ』、2009年10月3日〜2010年3月27日にアニメ作品が放送されました。現在もテレビ東京で毎週木曜深夜3:40〜再放送中、キッズステーションでも放送中です。特に前半の原作にあるストーリーの話数はとてもいいできだと思います。アニメとして面白いv
 10月より第2期が放送予定です。第1期がコミック第5巻までだったので、第2期はラグ&「ハチノス」VSノワール&「リバース」のストーリーになりそうですね。
 個人的に「カベルネ」がアニメ化されるとどんな色になるのか見てみたい。幼虫時代、ノワールの心弾におびき出されるようすがかわいいのです。成虫になってからは恐怖の権化ですが、色が気になるのですよ。かわいい水色とかだったらどうしよう……。オニヤンマやキンヤンマよりギンヤンマが好きv
 原作コミックもアニメ第2期も楽しみな作品です。


「ジャンプスクエアSQ.『テガミバチ』」サイト
http://jumpsq.shueisha.co.jp/contents/t_bachi/index.html


「テレビ東京・あにてれ『テガミバチ』」サイト
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/tegamibachi/


「テガミバチ」公式サイト
http://www.tegamibachi.com/



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