MY FAVORITE & RECOMMENDATION

映画、コミック、本から、お薦めものをピックアップ!

<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
# スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | | category: - |
# 『デザートフラワー』は今観ておきたい映画
JUGEMテーマ:映画


 『デザートフラワー』は、ソマリアの砂漠で生まれた少女ワリス・ディリーがファッション界のトップモデルへ駆け上がる物語。ワリスの自伝をベースにつくられた映画です。

 13歳で老人の4人目の妻になるよう強要され、逃げてひとりで砂漠を渡り、祖母の伝手でロンドンの大使館のメイドになる。しかしソマリア内戦が勃発し、大使館は閉鎖。ワリスは路上生活者に。ビザの期限切れと違法入手、市民権を得るための偽装結婚など、次々に振りかかる英国に滞在するための問題。そして、彼女の心身に傷を刻んだアフリカの暗い風習。結婚より砂漠の逃避行を選んだ彼女は、その風習にも戦いを挑む。
 有名な写真家に見出され、「世界一美しい横顔のライン」からワールドモードのトップモデル「砂漠の花」へ。彼女が獲得したきらびやかな世界と、現代まで続く女性蔑視と虐待の最たる風習。ワリスという女性の中に並立する光と影を「美」に昇華した映画です。鑑賞後は少し苦みが残るような……。
 ワリス役のリヤ・ケベデが無敵に美しい!

 この映画は2010年1月、シネ・リーブル神戸で観たのですが、エンドロール終了後、音楽だけが流れて、映像がなく、スクリーンが黒いままの時間があったんです。映画の内容について考える時間、あるいは余韻に浸る時間かと思ったけど、社会問題を扱った映画でも今までそんなの観たことありません。まさか映写事故……じゃないですよね。


 『デザートフラワー』サイト:http://www.espace-sarou.co.jp/desert/
 『デザートフラワー』予告編:https://www.youtube.com/watch?v=YzatE3990fY

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 06:32 | category: Movie |
# 沈黙に時が降り積もる ドキュメンタリー映画『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』
JUGEMテーマ:映画


 フランス・アルプスの山中にあり、カトリック教会の中でも厳しい戒律で知られるグランド・シャルトルーズ修道院。観光はもちろんカメラの侵入も許されず、この映画の撮影も1984年の申請から16年後の2000年に許諾されました。
 撮影の条件は、映画は音楽なし、ナレーションなし、照明なしで、撮影したままの映像を使うことと修道院内に入るのは監督のみ。5年後、修道院の毎日が淡々と流れていく2時間50分の映画が完成しました。

 その映像から受けた印象は、フェルメールの絵画の色と空気感は実在したんだ、ということ。修道僧が台所で料理を作るシーンの家具や壁の色、服の色、窓から差し込む光と影の色、部屋に満ちている静謐にして温かい空気。想像でも個性でもない、フェルメールの写生力、描写力のすごさを思い知りました。

 祈りと瞑想、読書と思考に支配された、変わらない日々がただ繰り返されるのですが、最初に映された物品や情景が、後に具体的に描かれて、「ああ、そういうことだったのね」とわかるような、ちょっとした演出も考えられています。
 ネコを世話したり、雪を掘って畑を耕したり、雪山を滑ったり、頭を剃り整えたり、庭で談笑したり、祝祭日には特別な祈祷をしたり。変化のない毎日の中に挟まれる、他愛のない“特別”が本当に貴重なものに感じられてきます。

 寝不足で行くと、寝倒しかねないのでご注意。私もところどころ意識が飛びましたし、熟睡している方もいらっしゃいましたし。
 3時間、修道院の生活を目と耳で体験するもよし、中世・近世の絵画の色彩に理解を深めるもよし。特異な経験ができること、請け合います。


『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』サイト:http://www.ooinaru-chinmoku.jp/
『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=vU9FTzbl6Z0

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 04:20 | category: Movie |
# シリアスなコメディ、その絶妙が生む混沌 映画『グランド・ブダペスト・ホテル』
JUGEMテーマ:映画


 『グランド・ブダペスト・ホテル』は「ドラメディ(ドラマとコメディのミックス作品)とはなんぞや」がよくわかる作品です。
 めまぐるしく変わるシーンシーンにチャップリン映画を彷彿させる風刺を秘めたコントがくり出されますが、ホテルの上顧客マダム・Dの不審死から始まる連続殺人が物語を貫通していて、細切れという印象は抱かせません。

 1930年代にセレブの社交場として建てられた絢爛豪華なホテル。今は寂れたそのホテルに投宿した小説家は、富豪と噂されながら、狭い従業員部屋で暮らす謎多きオーナーと知り合い、インタビューを試みる。
 戦争孤児で貧しい移民だったオーナーは、華麗を誇った時代のホテルにベルボーイとして勤めていた。彼の上司である中年のコンシェルジュ(レイフ・ファインズ)は、気が利くと顧客からの信頼厚く、特に老齢の未亡人には夜の相手としての評判も上々だった。
 そんな老未亡人のひとり、マダム・Dが彼女の城館で亡くなった。知らせを聞いて駆けつけるコンシェルジュとベルボーイ。マダムはコンシェルジュに城館で唯一価値がある絵画を遺していた。反対する遺族の目をかすめて絵を奪い、ホテルに帰るふたり。絵の裏には「私が殺された場合の遺言書」があり、それにはとんでもないことが書かれていた。
 一方、絵と最後の遺言書を追って、マダムの息子が刺客を放つ。次々と殺されていく関係者に、迫るナチス・ドイツの軍隊。監獄から脱出したり、ホテル仲間に助けられながら逃げ回ったり。
 状況はシリアスなのに、言うこと、為すこと、コメディタッチなので、だんだん常識がおかしくなっていくような感覚に陥ります(笑)。

 砂糖菓子のようなデコラティブなホテルを舞台に、砂糖菓子が重要なアイテムになるところも憎い! エキゾチックな音楽もいいのです♪


 『グランド・ブダペスト・ホテル』サイト:http://www.foxmovies.jp/gbh/
 『グランド・ブダペスト・ホテル』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=xlgZQpYGnow

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 03:30 | category: Movie |
# 凡人が天才に迫る“追いつめ愛” 映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』
JUGEMテーマ:映画


 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』は「悪魔に魂を売り渡して手に入れた」超絶技巧を誇る希代のヴァイオリニストにして作曲家、ニコロ・パガニーニとマネージャーとして彼に付き従ったウルバーニの物語。

 パガニーニ役は「21世紀のパガニーニ」との呼び声も高いヴァイオリニスト、デイヴィッド・ギャレット。クラシックにこだわらず、バンドを率いてクラシックとロックのクロスオーバーを試みたり、モデルを務めたり、演奏技巧のみならずパフォーマンスの才のあったパガニーニを演じるにふさわしい人物。ギャレットのヴァイオリンをサラウンドで聴くだけでも、映画館で観る価値があります。

 ストーリーは、ゲーテの戯曲『ファウスト』を、ファウスト=パガニーニ、メフィストフェレス=ウルバーニ、グレートヒェン=シャーロットで翻案したようという印象。
 パガニーニに対するウルバーニの執着がまさに“愛と狂気”。BLなんて甘いものじゃない。プラトニック・ホモの極地と断言します。

 脚本・演出は、観客がパガニーニという人物についてそこそこ知識があることを前提に、彼を現代のロックアーティストに通じるパフォーマーとして描いているので、説明不足&イメージ先行が否めないのですが。ジャレッド・ハリス演じるウルバーニの“追いつめ愛”の凄まじさはよく伝わってきます。

 本作の監督・脚本・撮影を務めたバーナード・ローズは、『不滅の恋/ベートーヴェン』の監督・脚本でもあります。『不滅の恋/ベートーヴェン』を観たとき、ローズは生で美味しい素材を、刺身ではなく、カルパッチョにしちゃう監督さんという印象を持ったのですが、本作ではいっそうその思いを強くしました(カルパッチョも好きですけど!)。


 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』サイト:http://paganini-movie.com/
 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=wp0vuaMkEqU

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:50 | category: Movie |
# ロビン・ウィリアムズ追悼 映画『バードケージ』は芸達者ぞろいの名作コメディ
JUGEMテーマ:映画


 ロビン・ウィリアムズが8月11日に亡くなられていたのですね。
 シリアスからコメディまで、ファンタジーからSFまで、人情ドラマから社会問題を扱ったものまで、幅広い作品の多くで主人公やメインキャラクター演じてこられたウィリアムズ。なかでも私は『ミセス・ダウト』と『バードケージ』が好きです。

 『バードケージ』は、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』を映画化した『Mr.レディMr.マダム』のハリウッドリメイク作品。
 ナイトクラブ「バードケージ」のオーナー・アーマンド(ウィリアムズ)と店の花形・アルバート(ネイサン・レイン)は男性同士のカップル。
 アーマンドの20歳になる息子ヴァルが恋人バーバラと婚約することになり、彼女の両親がヴァルの両親に会いたいと言ってきた。バーバラの父親(ジーン・ハックマン)はゲイクラブを取り締まるべきと考えている堅物な上院議員。ヴァルのために「普通の家庭」を演出しようと、アーマンドはヴァルの実母であるキャサリンを招くが、母親としてヴァルを慈しみ育ててきたアルバートは面白くない。両家挨拶の当日、渋滞で遅れているキャサリンの代わりに現れたのは……。
 芸達者ぞろいのドタバタに笑えて、ほろりとするコメディ。また観たくなりました。

 私の好きなマンガのひとつ、篠崎佳久子の『N.Y.LOVE カミニート』に、『ラ・カージュ・オ・フォール』にインスパイアされたと思われるシーンが出てくるんですよね。
 そして、今気がついたのですが、『ミセス・ダウト』も『バードケージ』も女装して“おばさん”になる男性が出てくるのだわ。

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 02:20 | category: Movie |
# 映像関係者必見! 完成しなかった映画の証言映画『ホドロフスキーのDUNE』
JUGEMテーマ:映画


 渋谷のアップリンクに『ホドロフスキーのDUNE』の試写会に行ってきました。
 デヴィッド・リンチ監督、カイル・マクラクラン主演の映画『デューン/砂の惑星』は、ご存知の方、多いですよね。それより以前にアレハンドロ・ホドロフスキー監督が制作を進めていた映画『DUNE』のメイキングドキュメンタリー映画です。

 この映画のなにがすごいって、フランスの漫画家メビウス(ジャン・ジロー)が描いた映画の絵コンテが見られること!
 メビウスの漫画を見たホドロフスキーは「これぞ『DUNE』のカメラだ!」と彼を探し出し、画面の要素、構図、アップや引き、パンなどのカメラの動きまでお任せで映画1本分の絵コンテを描かせます。その画撮(コンテ撮)動画があって、見れば、映画がどんな映像になるはずだったか、どんなに画期的になものになるはずだったか、わかるんです。
 アニメの絵コンテを見慣れている目に、メビウスの絵コンテは、そのまま実写映像に置き換えれば、映画は完成するだろうと思えるくらい具体的でした。

 ホドロフスキーはさらに、特殊効果にダン・オバノン、メカ美術にクリス・フォス、美術デザインにH・R・ギーガー、音楽にピンク・フロイドとマグマを引き込んでいきます。
 各分野で非凡な才能を持つ彼らは、ホドロフスキーにとって「前代未聞の傑作映画」のために団結して戦う「ウォリアー(戦士)」でした。
 キャストも同じく、サルバドール・ダリ、オーソン・ウェルズ、ミック・ジャガーなどなど、このキャラクターにはこの人物と決めたら、一歩も引かない。
 でも、特にスタッフについては、会ってみて失礼な態度をとられたら、「仕事に魂が感じられない。そんな人には傑作など生み出せない」と座を蹴って帰ってしまうことも。吸引力と我の重量感と影響力の大きさはブラックホール並み。

 しかし、『DUNE』は制作会社が付かずに頓挫します。そりゃ、資金を出し、配給にかける立場として「1時間半の映画にしてくれ」と要望出したら、ホドロフスキーに「12時間でも足りない」と返されてはね……。

 絵コンテや人物設定画・美術設定画を含む『DUNE』の百科事典ほどの厚さのある企画書は、デヴィッド・リンチに渡され、『デューン/砂の惑星』になりました。でもそれは、ホドロフスキーが創ろうとしていたモノとは全然違う、「普通の作品」に堕していたのです。

 『DUNE』の企画が持ち込まれたいくつかの映画会社には企画書が残り、その要素が『スター・ウォーズ』をはじめとするSF映画に受け継がれていきました。また、オバノンとギーガーは『エイリアン』を誕生させます。
 『DUNE』が生み出したさまざまなアイデアはSF映画を一気に進化させたのでした、というドキュメンタリー。

 『ホドロフスキーのDUNE』は、映像制作に携わっている方はもちろん、編集やライターなど、映像作品に関わる方も観たほうがいいとお薦めします。
 メビウスの絵コンテはすごいし、才能ある人を巻き込んでいくホドロフスキーの惹力もすごい。それ以上に、多くの人が能力と時間のかぎりを尽くしたものは、頓挫しても、続くものに影響を与えるのだということ。そして、メビウスが絵コンテから『L'Incal(アンカル)』という漫画シリーズを描き上げたように、新たに生まれるものがあるのだということ。きっといつか『DUNE』は映像化されるという期待も含めて、前向きになれる映画です。


 『ホドロフスキーのDUNE』サイト:http://www.uplink.co.jp/dune/
 『ホドロフスキーのDUNE』予告編:http://www.youtube.com/watch?v=q75RaebfRXw

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 23:40 | category: Movie |
# 「アラン・レネ追悼特集」映画上映会で『去年マリエンバートで』を観る
JUGEMテーマ:映画

 
 アンスティチュ・フランセ日本にて5月9・10日開催の「アラン・レネ追悼特集」映画上映会に参加。『慎み深い革命家、アラン・レネの方法論』『ガーシュイン』『薔薇のスタビスキー』『去年マリエンバートで』を鑑賞。濃い時間を過ごしました。

 『慎み深い革命家、アラン・レネの方法論』と『ガーシュイン』は仏語・無字幕でお手上げ状態だったのですが(仏文学修士なんですけどね、一応 orz)、アラン・レネの映画技法にはバンド・デシネが影響していると知り、あのカット割りや場面転換の不思議はそういうことかとものすごく納得。
 『ガーシュイン』は、『ヴァン・ゴッホ』『ゲルニカ』といった絵画を映像化した短編を制作し、音楽にも造詣が深いレネ監督ならではの、かなり趣味的な伝記映画。音楽家ジョージ・ガーシュインの生涯をイラストと音楽と解説で綴ります。ガーシュインメロディに存在する「NYのメランコリー」の正体に迫っていて興味深いものでした。

 『薔薇のスタビスキー』は1933年にフランスで起こった「スタビスキー(スタヴィスキー)事件」の映画化。伊達男の詐欺師スタビスキーのゴージャスな生活を描きながら、父親の自殺や数々の名前をもったことでアイデンティティに惑う心情を描いていて、レネ作品の中ではわかりやすくてスペクタクルでした。

 そして、大本命『去年マリエンバートで』。約四半世紀前に観たきりだったので記憶違いがあったり、新たな発見があったりで、「こんな話だったのか!」と面白く鑑賞しました。
 デルフィーヌ・セイリグの衣装がポイントになっていたのですね。シャネルデザインのさまざまなドレスが美しかった!
カラーだったらなおよかったのにと思いますが、あの城館とフランス式庭園の禍々しくも感じる非現実感はモノクロならでは、ですよね。
 黒澤明の『羅生門』がモチーフだそうで、なるほど、あのカット割りはそういうことか、などなど発見の多い機会でした。


アンスティチュ・フランセ日本「アラン・レネ追悼特集」サイト:http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1405090510/



アンスティチュ・フランセ日本の1階にはパリ風の書店があります。カフェやレストランもあり。

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 22:10 | category: Movie |
# 「『グランド・イリュージョン』プレミアムBOX」は劇場版+αの発見があって大満足!
JUGEMテーマ:映画


 「『グランド・イリュージョン』プレミアムBOX」が到着したので、日本語吹替を早速視聴。
 映画館で観ているので結末も「あの人」の正体も知っているのですが、見返しても面白い! 特にオープニング&エンディング含めて9分ほどシーンが追加されているエクステンデッド・エディションは、劇場公開版で「なんかちょっと物足りない」と思った部分が埋められていて大変満足!
 未公開シーンで「ああ、そういうことがあったのね」とわかることが多かったり、キャスト&スタッフインタビューでキャストが「モーガン・フリーマンが(目の前で)話して動いてる!」ってキャッキャしていて微笑ましかったり、購入を検討されている方には「プレミアムBOX」をお薦めします。

 ジャック(CV:細谷佳正)はフォーホースメンの中では若輩で、他の3人に比べたらあんまり話しませんが、見せ場は多いし、細谷さんの演技も軽口から焦り、苛立ちまで若者らしさが自然でよかったです。特に大役を果たして他の3人に誉められるところは、ほんとにうれしそうで好感度増し増し。日本語吹替は役者さん全員、役柄に合っていて、演技もナチュラルで、配役を決めた方はすごいなあと思いました。
 「マジック+強盗」の「今までにない映画」。劇場公開版のレンタルも始まってますので、ぜひご覧になってください!


 マジックを扱った映画と言えば、『マジック・ボーイ』が好きですv
 「フーディニに継ぐ脱出マジックの天才」と謳われた父を持つダニーはマジックの神童。横暴な市長の息子をマジックでからかったことから市長の悪事を知ることになり、かつて父が死んだ警察署の独房から脱出を図る事態に……。
 製作総指揮はフランシス・F・コッポラ、監督はキャレブ・デシャネル、脚本はメリッサ・マシスンで、『ワイルド・ブラック/少年の黒い馬』のチーム。アメリカ映画ですが、ヨーロッパ映画っぽい渋みのある作品。ダニー役のグリフィン・オニールが小生意気でかわいくて、「マジック+少年」もいいですv


 『マジック・ボーイ』に似た雰囲気でお薦めのマンガが『ファンタジウム』(モーニングKC/講談社)。あの『ANIMAL X』の杉本亜未がこんなファンタジックな作品を描かれるんだと驚きました。でも人間のもつどうしようもない「業」の部分は、『ANIMAL X』ほどではないですが、やはり救いがたく描かれていて……。その部分を“マジック・ボーイ”長見良がマジックという魔法でひと時でも祓ってくれる物語なのかな、と。

 ディスレクシア(読み書き障害)をもつ良は、その障害を理解できず怠け者とののしる父親や学校から逃げてホームレスのように暮らしていた。ある日、年老いたマジシャンに出会った良は、彼から奇術のノウハウを学ぶ。それは良の障害に気づいたマジシャンが、生きる術を与えようと教えたものだった。
 スライハンドを中心にマジックで天才的な才能を開花させる良。老マジシャンの死後、非合法カジノで代打ちギャンブラーをしていた良は、カジノのセキュリティ担当としてやってきた北條に出会う。彼は老マジシャンの孫で、マジシャンに憧れたものの、祖父と父との不和などから諦めてサラリーマンになっていた。文字が認識できない良に、祖父が残したマジックのネタ帳を読んでやる北條。良のマジックショーに魅せられた北條は、彼をショービジネスの世界へ連れ出すことにする。

 相棒となった良と北條の「わかり合ってなさ」が笑えます。北條の努力で中学校に編入できた良に対するいじめやショービジネスの裏側のドロドロ部分でドス黒くなった気分が、良のマジックで「変わる」のが清々しい。
 『グランド・イリュージョン』にもある「マジックは信じる心がないと成立しない」というテーマが『ファンタジウム』の根底にもあって、マジックのみならず人間関係のキモにもなっているところが、読後感のよさにつながっていると思います。
 7巻で止まっていましたが、連載再開とのことで、また良のマジックショーが観られるのが楽しみですv

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:50 | category: Movie |
# 噛み合った歯車のごときミステリー 映画『鑑定士と顔のない依頼人』
JUGEMテーマ:映画


 『鑑定士と顔のない依頼人』は、『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』などで知られるジュゼッペ・トルナトーレの監督・脚本作品です。

 絵画はもちろん古家具・骨董品まで網羅する、確かな見識で誉れ高い鑑定士であり、名オークショ二ア(競売人)のヴァージル・オールドマン。彼が受けた、若い女性からの屋敷の鑑定依頼の電話がすべての始まりだった。
 やり取りはすべて電話で、決して姿を現さない依頼人。気まぐれな彼女に怒りを募らせるオールドマンだが、やがて「彼女の姿を見たい」という欲求に抗しきれなくなる。
 Virgil Oldmanという名が皮肉なほど、絵に描かれた女性をコレクションすることに悦びを覚え、生身の愛を知らずにきた彼が、娘ほども歳の離れた27歳の女性に惹き込まれてしまう。さて、その愛の行方は……。

 登場するオートマタ(機械人形)を動かす歯車の噛み合せのように、周到に計算されて組み上げられていく物語。ラストに映るプラハにあるという店内が歯車だらけのカフェ「ナイト&デイ」がすべてを表している気がします。
 彼を取り巻く人物たちのセリフを思い返せば、映像で描かれた叙述トリックと言ってもいいかもしれません。「あのとき、ああ言ったでしょ」的な。特にビリーとの会話は心に留めておくといいかも。

 この映画で圧巻なのはストーリーテリングですが、ヴァージルが集めた美女画コレクションがまたすごいのです! ルノアール、ゴヤ、モディリアニ、ロセッティ、ティツィアーノ……観たことがある名画ばかりが四方の壁を埋め尽くしているのですから、呆気にとられてしまいます。
 あと、依頼人が鑑定に出した屋敷も、5つの都市にある邸宅を合成したというだけに、美意識が行き届いた各部屋の装飾は溜息ものです。


 『鑑定士と顔のない依頼人』:http://kanteishi.gaga.ne.jp/


いろいろな意味で唖然呆然としたあとはヴァージルと記念撮影など(写真は新宿武蔵野館)。


 
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:05 | category: Movie |
# マジックによる華麗にすぎる完全犯罪! 映画『グランド・イリュージョン』
JUGEMテーマ:映画


 これは途方もないマジックの物語。ハリウッドのショー舞台にいながら、パリ9区にある銀行の金庫から320万ユーロの紙幣を消失させ、客席に紙吹雪のように降らせる。ニューオリンズの舞台では、災害被害者に保険金を払わなかった保険会社のオーナーの銀行口座から客席にいる災害被害者たちの口座へ1億4000万ドルもの大金が移される。そして、ニューヨークで狙うのは隠し金庫に眠る5億ドル。

 インターポールとFBIが追う彼らは、テーブルマジックの達人・アトラス、かつてTVの人気者だったメンタリスト・メリット、華麗なる脱出マジックのアーティストで紅一点のヘンリー、相手の持ち物を盗むビッグポケットやピッキングが得意なジャックの4人のチーム“フォー・ホースメン”。
 彗星のように現れた希代のイリュージョニストたちの目的は、実は金ではなかった。彼らの真の目的は? 彼らを集めて指示を送った5人目の存在とは? その人物の目的とは?

 あの手この手で観客の裏をかこうとしてくる、この映画そのものがイリュージョン。彼らに翻弄されるFBI捜査官のローズや、マジックのタネを解き明かして公表することでマジシャンたちの息の根を止めてきたブラッドリー(モーガン・フリーマン)らの“役者”っぷりも見どころです。

 監修者にDaiGoの名前があったので、何事かと思ったら、メンタリストのメリットが大活躍するからなのね。メンタリスト、去年あたりからよく聞く単語ですが、心理を操るようなマジックは本当に驚異に感じます。


 『グランド・イリュージョン』サイト:http://www.grandillusion.jp/


<追記>
 3月20日発売の『グランド・イリュージョン』DVD&Blu-rayの、ジャック(デイヴ・フランコ)の吹き替えが細谷佳正さん!
 この作品はまさにイリュージョンな方法で巨額の金を奪う4人のイリュージョニスト“フォー・ホースメン”とそれに対抗する2人の捜査官、そしてトリックのネタを暴いてはマジシャンを破滅させてきた人物の物語。

 ジャックは“フォー・ホースメン”の1人で、他人のポケットから物をスリ取ったり、カードを出したり消したりするスライハンドの天才。ピッキングも得意です。軽妙なキャラで、物語の最初から最後まで結構かき回してくれるので、細谷さんのお芝居も楽しみです。

 通常のDVDとBlu-rayのほか、“フォー・ホースメン”のその後を描く「アナザー・エンディング」など約10分のシーンが追加されたエクステンデッド・エディションもあるとか。つまりエクステンデッド・エディションが完全版ってこと!? それは観てみたいですね。

 
| comments(0) | trackbacks(0) | 06:50 | category: Movie |
紹介作品の詳細は……
blog内の「画像」あるいは「作品タイトル」をクリックすると、Amazon.co.jpの作品紹介ページに飛びます。
Search this site
Categories
Profile
Recommend
煌 中嶋敦子画集
煌 中嶋敦子画集 (JUGEMレビュー »)
中嶋 敦子
目の覚めるような煌めきの世界が、この一冊に! 『艶』と同じくイラスト一点一点に中嶋氏のコメントつき。『トリニティ・ブラッド』『プリンセス・プリンセス』『逮捕しちゃうぞ』の3作品については、アニメ制作に携わられていたときのエピソードを含めたインタビュー記事も収録。ベテランアニメーターの、作品やキャラクターへのあふれる愛を感じてください。
Recommend
カズキヨネ画集 -斬華-
カズキヨネ画集 -斬華- (JUGEMレビュー »)
カズキ ヨネ
アイディアファクトリー制作の乙女ゲーム『緋色の欠片』『翡翠の雫 緋色の欠片2』などのキャラクターデザイナーであり、イラストレーターでもある、カズキヨネの初画集。華麗で、「萌え」のつまったイラストの一点一点をご堪能ください! 「狐祭り」、最高!! カズキ氏のイラストに対するコメントや、画業についてのインタビューも、ぜひ読んでくださいね。
Recommend
由良 ARTWORKS -LIGHT SIDE-
由良 ARTWORKS -LIGHT SIDE- (JUGEMレビュー »)
由良
『由良ARTWORKS -DARK SIDE-』の下巻。『DARK SIDE』はボーイズラブゲームでまとめましたが、『LIGHT SIDE』は乙女ゲーム『乙女的恋革命★ラブレボ!!』のイラストから男性向け美少女ゲーム、最近のボーイズラブ作品を少々、そして“幻の企画”まで、由良氏がさまざまなジャンルで描かれてきたイラストを網羅。もちろん、コメント付きです! さらに携わられたゲームについて、作品ごとにインタビュー。10時間インタビューの成果や、如何に!? それは本書でご確認ください。
描き下ろしイラストのステキな箱には、『DARK SIDE』『LIGHT SIDE』両方が収納できますv
Recommend
由良 ARTWORKS -DARK SIDE-
由良 ARTWORKS -DARK SIDE- (JUGEMレビュー »)
由良
『冤罪』『帝国千戦記』『絶対服従命令』などのボーイズラブゲーム、およびダイエット乙女ゲーム『乙女的恋革命★ラブレボ!!』のキャラクターデザイナー・原画家で知られる由良氏の初画集です。12月に発行予定の「LIGHT SIDE」と2分冊の上巻。
「DARK SIDE」は『冤罪』『帝国千戦記』『絶対服従命令』の厳選イラストを収録。各作品の最新描き下ろしイラストに、3作品の主人公をシャッフルした「この本だけの」描き下ろし口絵あり。
そのうえ、各イラストに由良氏のコメントありで、内容充実の1冊です!
Recommend
永久保存版 完全ボーイズラブゲームガイド
永久保存版 完全ボーイズラブゲームガイド (JUGEMレビュー »)

1999年の開発開始から、ボーイズラブ(BL)ゲームのすべてを網羅したガイドブック。特に一世を風靡した人気作品はカラーページでクローズアップ! 表紙はBLゲーム原画家である由良&たたなかなの合作描き下ろし。また由良&たたなかな対談や淵井鏑、ゆりの菜櫻のインタビューも収録。
「BLゲームってどんなジャンル?」「BLゲームってどんなタイトルがあるの?」という初心者向けのカタログムック本です。BLに興味のある女性はもちろん、男性の方で「知りたい」という方にもオススメ! ただし肌色多めなので、要注意。
Recommend
TALES いのまたむつみ画集
TALES いのまたむつみ画集 (JUGEMレビュー »)
いのまたむつみ
RPGとして不動の人気を保つ『テイルズ・オブ・デスティニー』『テイルズ・オブ・エターニア』『テイルズ・オブ・デスティニー2』のキャラクターデザインを務めたいのまたむつみの『テイルズ』イラストを網羅。見逃したイラストもきっとココにあるはず! キャラクター造型やイラストの描き方について、コメントやインタビューもバッチリ収録。紙や印刷にもこだわってます。時間をかけただけのクオリティを堪能してください。
Recommend
WOLF'S RAIN SEEKING
WOLF'S RAIN SEEKING "RAKUEN" 川元利浩画集 (JUGEMレビュー »)
川元 利浩
アニメ『WOLF'S RAIN』のキャラクターデザインを務めた川元利浩の初画集。カジュアル、レトロ、ヴェネチアンマスカレード、ネイティヴアメリカンと、さまざまなモードジャンルから組み立てられたキャラクターたち。もちろん、オオカミの造形も要チェック! 川元ファン必携の1冊!
Recommend
艶−中嶋敦子STYLE−
艶−中嶋敦子STYLE− (JUGEMレビュー »)
中嶋 敦子
「艶のあるキャラクター」といえば、今、注目の中嶋敦子! 『逮捕しちゃうぞ』『GetBackers -奪還屋-』ほか、『PEACE MAKER鐵』『王ドロボウJING』など、思わず目も心も奪われる美麗イラストが満載! インタビューや各イラストへのコメントから、そのスタイルを探る!
Recommend
指先にくちづけて―パラケルスス・パラミールム
指先にくちづけて―パラケルスス・パラミールム (JUGEMレビュー »)
伊藤 智砂
16世紀に実在した、稀代の錬金術師にして医学の革命児、パラケルスス(テオフラストゥス・ホーエンハイム)をモデルにした「BL(ボーイズラブ)小説」です。
パラケルススと、彼が作り出した小さなホムンクルス「ヘルメス」は流浪の旅を続ける相棒同士。スイスのバーゼルに立ち寄った彼らは、町の有力者にして出版王フロベニウスに出会います、そのときから、なんだか二人の関係がおかしくなってきて……。
異端視され、火炙りの危険にさらされながらも、ヘルメスを手放せないパラケルスス。そんなパラケルススを守りたいと思うヘルメスは、パラケルススの危機に絶体絶命の手段を取ります。
史実をご存知の方には、パラケルススの「ヘルメス信仰」ってそういうこと? と思っちゃえるかもしれません(笑)。
※ BL的な表現や描写がありますので、苦手な方はご遠慮ください。
Recommend
TVアニメーション鋼の錬金術師コンプリートストーリーサイド
TVアニメーション鋼の錬金術師コンプリートストーリーサイド (JUGEMレビュー »)
スクウェアエニックス
『鋼の錬金術師』アニメ全話を徹底解説! まさにコンプリートな1冊です。特にアニメの『鋼』世界の設定を考察した「『鋼の錬金術師』徹底研究レポート」は、ファン必読です。
Recommend
TVアニメーション 鋼の錬金術師 キャラコレ
TVアニメーション 鋼の錬金術師 キャラコレ (JUGEMレビュー »)
スクウェア・エニックス
アニメ版『鋼の錬金術師』に登場する80余名のキャラクターを一挙にご紹介。各キャラの名セリフや特別な人間関係などを、アニメのシーンもいっしょにピックアップしています。
「このキャラってどういう人物だっけ?」と思ったときに、手軽にチェックできる1冊です。
Recommend
魔探偵ロキRAGNAROK PERFECT GUIDEBOO
魔探偵ロキRAGNAROK PERFECT GUIDEBOO (JUGEMレビュー »)
木下 さくら
『魔探偵ロキ』『魔探偵ロキ RAGNAROK』の世界をキャラクターの魅力分析やストーリーダイジェストで完全ガイド。作品に対するこだわり部分やカラー画集にリンクしたイラストコメントなど、「作者の声」がたっぷりつまった1冊! 描き下しイラストに、学生になっちゃった『ロキ』メンバーのコミック、アニメ版スタッフや声優のコメントもありの「ぎっしり」ガイドブックです。
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
Sponsored Links

 レンタル掲示板,レンタル日記,レンタルブログ「大宇宙」